免許返納を両親に説得する「コツ」を解説!返納のきっかけ第一位は○○だった!

高齢者に免許返納を説得するには?困った時は”警察に相談”してみよう!

高齢者に免許返納を説得するには?困った時は”警察に相談”してみよう!

 

「高齢者に免許返納を説得しているけど、なかなか応じてくれない…」

「頭の固い両親に免許返納の話をするといつもケンカになる…」

「自分から免許返納を切り出すのが気まずい…」

このように免許返納に関する悩みは人それぞれですよね。

あまり知られていませんが、警察署で免許返納に関する悩み相談ができるんです!

・免許返納を説得する「ポイント」とは?

・免許返納の”きっかけアンケート”を解説!

・説得するときに”絶対してはだめなこと”とは?

この記事を読むと、高齢者に免許返納を説得するのに役立つ「7つの説得ポイント」が分かります。

「免許返納をしないと私が困る」ではなく「免許返納したらあなた達にお得なことがある」というスタンスで話をしましょう。

免許返納をして運転できなくなって困るのは、「高齢の両親たち」です。

頭ごなしに否定して免許返納させることは絶対にやめましょう。

それでは解説していきます。

この記事を書いたのは…

・現役の「専任運行管理者」
・運転教育や車両管理を行う
・大型トラックに15年間乗務
・定期的な講習会に参加

免許返納の”説得ポイント”を紹介!

免許返納の特典や割引を徹底解説!年齢しだいでは特典が受けられないかも?!

一番してはいけないことは、免許返納について何も知らないのに返納を押し付けることです。

免許返納を両親に説得する前に「免許返納とは何か」について理解しておきましょう。

ある程度免許返納について理解しておけば、話し合いもスムーズに進みます。

説得ポイント①「免許返納」したら『運転経歴証明書』がもらえる!

運転経歴証明書

免許返納とは、公安委員会に免許証を返却することで運転ができなくなることです。

免許証がなくなると、運転できなくなるだけでなく、身分証明書もなくなってしまいます。

そのため、免許証に代わる身分証として、「運転経歴証明書」が発行できます。

 参考記事:【免許返納とは?】やり方や受付場所、特典などのよくある疑問・質問をまるっと解決!

説得ポイント②「免許返納」は土日でもできる!

免許返納を両親に説得する「コツ」を解説!返納のきっかけ第一位は○○だった!

免許返納の申請場所は「最寄りの警察署」や「運転免許センター」です。

対応時間は基本的に「平日の9時~16時」です。

「土日しか手続きする時間がない…」という場合でも、事前に予約すれば土日でも手続きできます。

また、住んでいる都道府県によっては「最寄りの町役場」や「郵送」でも手続き可能です。

 

こちらの記事に「各都道府県ごとの場所と時間」を詳細にまとめています。

 参考記事:免許返納できる場所や時間は?各都道府県ごとの手続き可能な場所や時間をまとめました!【2021年最新版】 

説得ポイント③免許センターなら手続きが1日で終わる!

警察署や交番、駐在所でも免許返納は可能ですが、運転経歴証明書の即日発行ができません。

運転経歴証明書発行までに2週間程度かかるようです。

しかし、最寄りの免許センターなら「運転経歴証明書」を即日発行できます。

各施設や都道府県により違いがあるので、まずは問い合わせてみましょう。

混雑する時間帯は?

「平日の朝一番の時間帯」や「日曜日」は混雑します。

比較的に、空いているのは平日の午後の時間帯が多いようです。

説得ポイント④手続きは2時間ほどで終わる!

免許返納を両親に説得する「コツ」を解説!返納のきっかけ第一位は○○だった!

所要時間は、免許の返納手続きだけなら「20~30分ほど」です。

しかし、同日に運転経歴証明書の交付も申請すると、合計で「1~2時間ほど」必要になります。

手続きにかかる時間は、日によって変動もありますが、運転経歴証明書の発行も含めると最大で2時間ほどかかる場合があります。

日曜日は比較的混雑しているほか、平日は朝一番の時間帯が混雑しやすいです。

参照:車の免許返納で受ける心の傷 返納者に待ち受ける職員の理解なき言動とは?

「運転経歴証明書」の交付に必要なものは?

運転経歴証明書の申請には、手数料1,100円と顔写真が必要です。

顔写真の規格はあるの?
「免許証/中型」の写真サイズ
写真は、カラーの証明写真でサイズは縦3cm×横2.4cmのものを1枚準備しましょう。
しっかりと正面を向いたものを、申請の6ヶ月以内に撮影しておきます。
 
こちらの記事に「免許返納手続きに必要なもの」について詳細にまとめています。

説得ポイント⑤運転経歴証明書で特典がもらえる!

免許返納を両親に説得する「コツ」を解説!返納のきっかけ第一位は○○だった!

運転経歴証明書を提示することで「移動手段の割引サービスなどの特典」をうけることができます。

車で移動できなくなると、必然的に”公共交通機関”や”タクシー”などを利用することが増えます。

特典を活用することで、返納後の移動手段がお得になることは間違いありません。

参考記事:免許返納の特典や割引を徹底解説!年齢しだいでは特典が受けられないかも?!

説得ポイント⑥本人以外でも免許返納手続きができる!

免許返納を両親に説得する「コツ」を解説!返納のきっかけ第一位は○○だった!

免許返納は、原則本人しか手続きできません。

ただし、長期入院中など本人が返納できない場合は代理人が申請することも可能です。

その際は、委任状などが必要になるので注意が必要です。

こちらの記事に「代理人申請時に必要なもの」についてまとめています。

故人の免許返納も必要?

免許返納を両親に説得する「コツ」を解説!返納のきっかけ第一位は○○だった!

故人の場合でも免許返納することが望ましいとされています。

なぜなら、免許証は公的に信用度が最も高い部類の身分証明書として使えるからです。

そのため、盗難など悪用されないように故人の免許返納が推奨されています。

説得ポイント⑦ 警察に相談してみる!

どうしても説得が難しい場合は、警察など家族以外の第三者に相談して説得を手伝ってもらいましょう。

警察以外にも免許センターの職員やかかりつけ医、地域の支援センター、在宅介護をしていれば担当職員などに相談できます。

免許返納を警察に相談した事例

ここでは、「四日市市の免許返納を警察に相談した例」を紹介します。

A さん (80歳 女性)

家族が警察に相談。

警察が本人と面談したが、自主返納に納得していないので、運転免許センターに適性検査の予約を入れ、検査当日にも警察から電話連絡する。

家族がセンターに同行し、「認知機能検査の結果が悪くなっている」との結果が出て、係員の説得で返納する。

自転車や電車を利用して外出できたので、10日間ほどで「不便を感じない」と気持ちも落ち着き、趣味活動も継続している。

参照:車の運転が心配な高齢者のご家族様へ

Aさんの場合は、「警察に相談➡適性検査を受ける➡免許センターの職員に説得してもらう」という流れで免許返納できたようです。

 

B さん (75歳 男性)

家族が警察に相談。

運転免許センターに適性検査の予約を入れ、家族が同行したが、適性検査を受けずに免許証を返納し、「免許を自分から返した」と誇らしげであった。

夫婦ともに車を手放したことによる不便を感じていない。

外出する機会を増やそうと、孫の協力も得て、デイサービスに通うことになった。

参照:車の運転が心配な高齢者のご家族様へ

Bさんの場合は、警察に相談し、適性検査を受ける前に免許返納してくれたようです。

特にプライドの高い高齢者には、「自分から返納した」と思ってもらえるようにするのがポイントです。

また、お孫さんに協力してもらうのもオススメです。

 

7つの説得ポイントまとめ

ポイント①

免許返納しても代わりの身分証をもらえる

ポイント② 

土日でも免許返納の手続きができる

ポイント③ 

免許センターなら面倒な手続きも1日で終わる

ポイント④

手続きは合計2時間ほどで終わる

ポイント⑤ 

運転経歴証明書を提示すると様々な特典をうけれる

ポイント⑥

どうしても手続きできないなら、代理人による免許返納できる

ポイント⑦
警察など第三者に相談してみる

高齢者が免許返納をする『きっかけ』とは?

高齢者が免許返納する”きっかけ”が分かると、免許返納への大きな一歩となるでしょう。

やみくもに返納を強要するのではなく、自分の両親は本当に免許を返納したほうがいいのかを考える必要があります。

免許返納をした『きっかけ』を知る!

免許返納のきっかけ

(参考: 平成29年度「運転免許証の自主返納制度等に関する世論調査 集計表」 集計表2

上図は、内閣府が行った「H29年度の免許の自主返納制度」に関する世論調査です。

この調査では、一人の回答者につき2つ以上の回答が可能です。

そのため、合計比率値は100%を超えます。

”自分自身で”免許返納を決めるのは半分以上!

高齢ドライバーが自主返納を行ったきっかけの1位は、「自分の身体能力の低下等を感じたとき」で、64.8%です。

つまり、自らの判断で免許返納を行う割合は半分以上です。

 

次いで、「家族等から運転をやめるように勧められたとき」が、37%です。

約4割の高齢者が、自分の判断ではなく家族に促されて返納を決断したという結果になっています。

 

この他にも、事故・違反を起こしたこと自動車を使う必要性を感じなくなったことが免許返納のきっかけとなっています。

 

免許返納のきっかけ

  • 自身の身体能力低下により自己判断した。
  • 家族からの勧められた。
  • 事故や違反を起こしてしまった。
  • 車の必要性がないと感じた。

高齢者に免許返納を説得するときの”NGポイント”!

もっとも大事なことは「返納する本人と一緒に免許返納について考えること」です。

両親に免許返納を説得しようとしても、「話を聞いてくれない、説得に応じてくれない」というのは当たり前のことです。

今まで当たり前にしていた運転を、明日からやめるとなれば生活も一転します。

高齢の両親の立場で考えると当然、免許を返納するなど不安でいっぱいのことですよね。

NG① 頭ごなしに免許返納を押し付ける

免許返納を両親に説得する「コツ」を解説!返納のきっかけ第一位は○○だった!

相手の意見も聞かずに『もう歳なんだから返納してよ』と頭ごなしに強制することは絶対に避けましょう。

一番大事なのは本人に納得してもらうことです。

本人だけの問題ではなく、社会全体の問題であることを伝えましょう。

NG② 前触れもなく免許返納を切り出す

免許返納を両親に説得する「コツ」を解説!返納のきっかけ第一位は○○だった!

そのためには、比較的早い段階から話し合っておくことが大切です。

突然免許返納の話をされても、両親はびっくりしてしまうでしょう。

両親の年齢が60歳を過ぎた頃に、「70歳前後が車の運転を考えるべき年齢であること」を伝えましょう。

また、運転や身体の変化を感じたらお互い遠慮せず伝えあうことを約束しましょう。

NG③ 根拠もなく運転を否定する

免許返納を両親に説得する「コツ」を解説!返納のきっかけ第一位は○○だった!

確かに両親の運転は危険かもしれませんが、あなたの主観でご両親の運転を評価してはいけません。

一緒に乗っていて、ウインカーを出し忘れや、道の間違いなど、運転が危険かもしれないという目安を立てて、両親と共有しましょう。

「危険運転の目安」に照らし合わせてみる!

運行管理者として、わたしが職場の高齢ドライバーの運転チェックをする際の「6つの危険運転の目安」を紹介します。

この「危険運転の目安」は、これまでの高齢ドライバーの事故案件と傾向、自動車メーカーがおすすめしている”助手席孝行”を参考に作成しました。

危険運転の目安

  1. 車間距離は一定かどうか?
  2. 一か月間で3箇所以上擦り傷や凹みの有無は?
  3. ブレーキ、アクセルなどの踏み間違いはあるか?
  4. ウインカーを出し忘れや道の間違いは?
  5. 急ブレーキや急発進はないか?
  6. 車庫入れに時間がかかりすぎていないか?

まとめ:免許返納を説得する前に…

今回の記事では、「免許返納返納を説得するコツ」について解説しました。

免許返納を説得する「7つのポイント」

ポイント①

免許返納しても代わりの身分証をもらえる

ポイント② 

土日でも免許返納の手続きができる

ポイント③ 

免許センターなら面倒な手続きも1日で終わる

ポイント④

手続きは合計2時間ほどで終わる

ポイント⑤ 

運転経歴証明書を提示すると様々な特典をうけれる

ポイント⑥

どうしても手続きできないなら、代理人による免許返納できる

ポイント⑦
警察など第三者に相談してみる

 

免許返納の”きっかけ”は?

自身の身体能力低下により自己判断した。
家族からの勧められた。
事故や違反を起こしてしまった。
車の必要性がないと感じた。

 

説得するときに”絶対してはだめな3つのこと”

頭ごなしに免許返納を押し付ける。
前触れもなく免許返納を切り出す。
根拠もなく運転を否定する。

免許返納は非常にナイーブで時間がかかる問題です。

宮崎県知事で有名な東国原英夫さんは、お父さんに免許返納してもらうまでに1年かかったというエピソードがあります。

東国原も「うちも父親、免許返納して頂いたんですけど、1年かかりました」と打ち明けた。

「存在意義なんです、社会人として認められる一つの手段なんです。免許でね、自分で運転が」と、高齢者にとって運転が社会との接点の一つであるとした。

(参照:東国原、運転しようとした父が座った場所は…免許返納の決定的事象「僕もショック」

まずは免許返納を説得するのは時間がかかることを理解しましょう。

また、自分だけで説得が難しいと感じたら警察などの公的機関に相談してみるのもおすすめです。

 

免許返納

 

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